画面上には見慣れた朝のニュースキャスターがいて、毎日のニュースを読み上げている。


あたしはしばらく部屋の様子を眺めて時間を過ごした。


お母さんを起こそうかとも思ったけれど、心地よく眠っているので可哀想だ。


それに、起き抜けのせいか体の力もでなかった。


ともすれば、また深い眠りについてしまいそうだ。


だけどあたしはどうにか目を開けていた。


見たところここは病院で、あたしは入院中みたいだ。


だけどどうしてだろう?


あたしはついさっきまで2年A組の教室にいて、みんなと話をしていたはずだ。


その時には体は自由に動いたし、ピンピンしていたのに……。


そんなことを考えていた時だった。


不意にお母さんが身動きをして目を開けた。


「おはよう」


そう声をかけてみると、自分の声がやけに掠れていることに気が付いた。


しばらく声を出していなかったときみたいな声だ。