愛が重くて何が悪い!

俺はそう言って悠音の胸ポケットに手を伸ばす。
スマホ。


珍しく、悠音の顔が強張った。
……不安、なのかな。


俺はいつもみたいにメッセージアプリを開いて元カレから来たメッセージを見る。


『久しぶり、最近元気してる?』
『話したいことあんだけど、会えない?』
『ごめんな、昔のこと謝りたいだけだよ』


……ったく、うざい。
俺の悠音を泣かすような奴に、みすみす会わしてたまるかっての。


俺はいつもの流れのようにブロックして会話を消去。


悠音の胸ポケットにスマホを戻すと、おでこにキスをした。


「大丈夫、悠音は何も悪くないよ。ちゃんと、ブロックしたから、悠音が怖がることなんて、もうないよ」


悠音はうるうると俺のことを見つめる。


「口じゃ、ないの?」


キスのことらしい。