愛が重くて何が悪い!

周りから見たら普通に見える話し方。
実際は、俺はピリついてるし、そのピリついてる雰囲気に、悠音はもっとピリついた。
周りの空気が凍りつく。


悠音はチラッと俺を一瞥すると何にもなかったみたいに、もう一度スマホを見た。


「……彼氏のね、SNSのアカウントにログインして、彼氏の浮気相手とお話ししてるの」


もちろん、彼女ですって名乗ったよ?と、淡々と告げる悠音。


……パスワードとか全部知ってるもんね、確かにそうした方が手っ取り早いか。
浮気相手……じゃないけどさ。


「へぇ、どんな感じ?」
「ほんとに鬱陶しいよ?食い下がってくるし、彼女いるって聞いたことないって言われるんだ。ほんと、クソみたいな女。
彼氏も付き合ってること言ってくれてないみたいだしね」


ギロっと俺を睨みつける悠音。
スマホの画面は知らないうちに俺のメッセージ画面に切り替わっている。


『どうして彼女いるって言ってくれないの?フリーの方が女の子と遊べて楽?私の好きって気持ち、璃汰に向けない方がいいの?』