愛が重くて何が悪い!

不機嫌。
強引。ご機嫌斜め。


スマホを渡すと悠音はローファーを脱ぎながら、スマホのロックを解除。
着信履歴を開いた。


履歴に並ぶのは悠音との電話と、悠音のお母さんとの電話。
じーっと俺のことを見つめる悠音。


「……こないだからずっと電話してたの、お母さん?」
「へ?そうだよ?」


悠音から映画誘われたんです〜とか、そろそろ悠音の誕生日だからそのお話とか。


「そ、か」


悠音は不安げにその後もメールとか、SNSとか片っ端から開いて、連絡を取ってるのを自分の母親だと理解すると安心したように、スマホを返してくれた。


ぎゅっと、抱きついてくる。


「……私がかまわないから浮気始めたのかと思った」


しゅんとした感じで俺の首筋に顔を埋めて軽く噛み付いてくる。

……可愛い。


「悠音がいるのに浮気なんかするわけないじゃん?」
「……されたもん」


ぎゅうっとシャツを握って離さない悠音。