「先輩、勘違いしてますよ。
弥那先輩は誰がどう見たって先輩のことが好きなんですよ?そういう風な振る舞いしてるんです。
何をどうしたらそんな勘違いすることになるんですか」



何でこんな暑苦しいわけ?
こいつに俺たちの間を取り持つ理由なんてないだろうに。



「正面からぶつからないなんて卑怯です、女々しすぎます。男らしく当たって砕けろですよ」
「砕けたくねーよ」

「…っ、だから弥那先輩、無抵抗にフラれてあげたんですよっ!
先輩を傷つけないようにって、フラれてあげてくれたんですよっ」
「…なにムキになってんだよ」



和久は、俺に叫び散らすと、俺の冷めた返事に頭を冷ましたのか少し冷静になった。



「…弥那先輩にフラれました。理由もちゃんと聞いてきました。だからその、腹いせです。好きな人の幸せを願うのが、いい男です」


すると鞄の中から何か取り出して、俺に差し出す。