まさかの贈り物だった。



殿下が連れて行ってしまった猫の行く末は気になっていたけど、誰に聞いたらいいのかわからなかった。



処分したなんて言われてしまえば、私はここでやっていく自信を失ってしまう。



だから余計、誰にも聞けなかったのだ。



「ルイ様が、猫ちゃんを可愛がってくれてるみたい」

「それはよかった‼︎では、こちらのお茶を準備しますね」

「ねぇ、リーナ…」

「はい?」

「いただいてばかりで、なんのお礼もお返しもできていないのだけれど…」



ニコッと笑ったリーナは、なんだかとても楽しそうだ。



殿下からはお花やブローチ、こんなにステキな猫の置き物。



それに、私の好きなお茶まで。



「お礼状を送るといいかもしれませんね」

「私もお花をつければいいの?」

「それは男性が女性にすることです。女性は受け身でいいのですよ」



この国の男性は紳士なんだなぁ。



私の国では手紙すら送る男性が少ないのに。