自分以外にしかかけられない光魔法の治癒。


リチャードが体調を崩した時なんかは、私が治していたけど…。



自分ではどうにもならないのだ。



お水が入ったグラスと、何かを持ってきたリーナ。



ゴクゴクと、水を飲み干した。



「それは…?」

「殿下からだそうです。アレン様がこれを」



箱が2つと、手紙と小さなお花。



黄色くて小さな花は名前がわからないけど、とても可愛らしい。



熱のせいか水分があまりない指で手紙を開くと、前回同様短い文章。



『体調を崩したと聞いた。少しでも気が楽になることを願っている。それと、この前の猫はルイがテトと名前をつけ、とても可愛がっている。その代わりを贈る。アンドリュー』



箱を開けると、そこにはここに来たときに飲んだお花のお茶だった。



もうひとつは、海を思い出させるような青い宝石で作られた、猫の置き物。



「ふふふっ、殿下も可愛らしいことをしますね」

「ほんと、可愛い…」



とても、とても嬉しい…。