会いに行くと言えば止められて、アレンに伝言を頼むしかない。



でも、なんて言えば…?



その時、パーティーでの言葉を思い出した。



『お花のお茶』が、気分を軽くすると言っていたことを。



「お茶を贈るのは、おかしいだろうか…」

「殿下からの贈り物に、おかしいもクソもありませんよ」

「そうか、なら、これを一緒に届けてくれ」



出来上がったばかりの猫の置き物。



宝石で作ってあって、手のひらに収まる小さなサイズ。



少しでも気分が紛れるといいのだが…。



「殿下、手紙も書きましょう」

「なんて書けばいいかわからん‼︎」



前に書いた手紙も、頭を悩ませてやっと書けたものだったのに。



床にふせている彼女に、どんな言葉を送れというのだ。



世の中の男は、言葉がスラスラ出てくるものなのか?



リオに聞いたら、すぐに答えはでそうだったが、これは自分でやらなければ…。