困ったな…。



こんな時の対処法が全くわからない…。



「あの、キャシー…」

「あっ‼︎そういえばリチャードから手紙が届いたのです‼︎もうすぐ帰ってくるのですよ」

「そう、か…。元気でやっているのか?」

「はいっ‼︎学友もできたみたいで、楽しそうです‼︎」

「よかったな…」



うまく話ができなくて、逃げるように風呂に入った。



これはダメだな…。



久しぶりに会って、抱きしめたいのに。



そばに座って、笑いながら話がしたいのに。



それが、こんなにも難しいことだとは…。



風呂から出ると、キャシーはまた何かをしている。



「それはなんだ?」

「ボードゲームというものらしいのですが、遊び方がよくわからなくて…」

「どこから引っ張り出した?懐かしいな。ひとりではできんぞ、それ」

「やったことがあるのですか?」

「あぁ、幼少の頃アレンとな」



子どものおもちゃだ。



魔力石に微量の魔力を込めると、自分のコマが自動で動くシステム。



冒険に出かけ、魔物を退治しながら仲間を増やし、装備を整えて魔王を討伐するという、男向けのゲームだ。