頭を下げたマリアンヌに別れを告げ、宰相の元へ向かう。



「もう、側妃はいらん」

「ダメです。あの姫を選んだのは私の間違い。それは認めますが、殿下にはお子を作って頂かなければなりませんので」

「キャシーがいる」

「義務を果たしなさい。あなたは王になるのですよ」

「いくら連れて来ても、今回と同じになるぞ。媚薬を盛られたくらいで罪人扱い?ムリがあるのに」

「媚薬とて不審な薬に違いはないでしょう。それのどこに問題が?それに、あの姫は正妃様の殺害計画まで企てていた。腹の中は真っ黒ですよ」



そこまで企んでいたとは…。



やはり、これは正しい選択だったようだな…。



「殿下のお気持ちはわかりました。条件をつけましょう。1年以内に子を授からなかった場合、側妃を娶ってもらいます」

「イヤだと言ったら?」

「今すぐ変わりを探して連れて来ます」



1年か…。



そんな気持ちでキャシーに触れたくないのに。



だけど、やるしかないようだ。