【キャサリン】



リーナがなぜか急に子爵令嬢に。



意味がわからない。



絶対なにか企んでいることはわかるけど、悪いようにはしないからと、それだけ言われた。



不完全燃焼…。



「お父様は大丈夫?」

「はい、今までの生活とほとんど変わらないようです。変わったことは弟たちが1人一部屋になったことですかね…」

「そっか。なんだったのでしょうね…」



現在、リチャードの部屋へ来て荷造りの準備中。



王立学校へ通うというリチャードは1ヶ月の寮生活を目前にしている。



「それはいらないよ、ジェード」

「ならこれは?」

「違うよ。『これは必要ですか?』だよ」

「これは、必要ですか?」

「ううん、いらない」



ジェードがリチャードから話し方を学ぶため、最近は行動を共にしてるようで。



それがなかなか難しい。



ルイ様の方がしっかりした話し方をするのだ。



さすがによくない。



「リチャード殿、ジェードはいますか⁉︎」

「いるよ、ルイ」

「ジェード‼︎テトがご飯を食べてくれないの…。なんでか教えてほしい」




ジェードはさすが獣人の血が混ざってるだけあって、動物と話ができるようだ。