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それから数時間後。


白いカッターシャツにジーンズ姿の男性がカフェに入って来た。


あちこちに白髪が混ざっていて、もう随分年だということがわかった。


その人は店内をキョロキョロ見回した後、あたしたちに気が付いて近づいて来た。


広貴が立ち上がり「岩谷さんですか?」と、質問をする。


「そうです。君たちが桜高校の新聞部かい?」


岩谷さんは外見よりもしわがれた声で言った。


笑ったら目元にシワが寄って、可愛らしいおじいちゃんといった印象だ。


50年の前から雑誌をつくっているのだから、もう随分年配なんだろう。


「そうです。はじめまして」


広貴にならって全員で自己紹介をした。


岩谷さんは広貴の隣に座って、なんだか照れたように頬を赤らめている。


「若い人たちが自分の雑誌に興味を持ってくれるなんて思ってなくて、緊張しているよ」