月明かりに光る注射針が見えて全身が震えた。


「助けて!! 誰か助けて!!」


叫んでみても、男子生徒たちはみんなあたしの言葉に反応しない。


完全に洗脳されている。


「大丈夫よ。あなたはとっても好き者みたいだから、きっと楽しい一夜になるわ」


カヤ先輩の言葉の意味が一瞬理解できなかった。


この人は何を言っているんだろう?


「ほら、こうすると気持ちよくなるからね」


首元に注射器が突き立てられた瞬間、理解した。


ヨダレを垂らした男子生徒たちが、徐々に近づいてくるのが見える。


もっと大きな悲鳴を上げて助けを求めないと!


そう思うのに、ロレツが回らなくなっていた。


体から力が抜けてフワフワと宙を浮いている気分だ。