カズヤが手に持っているものを見て、あたしは愕然として呟いた。


「どうして? ライターの一個くらいあるはずじゃん!」


あたしは悲鳴を上げてダンボールの中身をひっくり返した。


絶対に見つかるはずだ。


そう考えている間に、カズヤはソレを持ってあたしに近づいて来た。


サッと青ざめて後退する。


「そうだ、先生の机の中にあるかも! 先生、喫煙者かもしれないし、ね!?」


「机の中なら、散々探しただろ」


イクヤの声がとても冷たく感じられて、凍り付いてしまった。


「でも……」


あたしはカズヤが持っているソレをジッと見つめた。


カズヤが見つけ出した物。


それは、ガスバーナーだったのだから……。