やたら熱いお茶を飲んでいると、目の前のふたりの様子が変なことに気づく。
なんだかお互いにチラチラと視線を合わせては、モゾモゾと腰の位置をずらしているのだ。

「どうかした?」

尋ねると、父親はお茶でむせて激しく咳き込んだ。

「あ、あとは頼む」

「ちょっとお父さん!」

逃げるように二階へ逃げていく父親をぽかんと見送った。
なんだろう……?
嫌な予感がするけれど好奇心のほうが強い。

「なんだよ今の。俺、最近は心を入れ替えて真面目にやってるつもりだけど?」

「それは知ってるわよ。『生まれ変わったみたいだ』って先生も驚いてらしたし、勉強をがんばっているのもお母さんわかってる」

身を乗り出して力説する母親に俺は苦笑した。

それくらい心配かけてたんだろうな……。