それから、どのくらいたったのか。うとうとと船を漕いでいたロザリーは、小さな話し声を聞き取り目を開けた。
「……か?」
「はい」
窓の外を窺うと、朝方なのか若干空が白んでいた。どうやら結構寝入ってしまったらしい。
人影が分かるくらいには明るく、のぞき込むと、内庭にふたりの人間がいるのがわかった。
大きさからみても、どちらも男の人だろう。
(どうしよう。あんまり近づいたら危ないし……。でも、気になるし。ええい)
ベッドで寝るつもりがなかったから、今日のロザリーは簡素なワンピースを着たままだ。
更にもこもこのケープを羽織り、内庭がよく見える広間へと向かう。
この屋敷は、主人のカイラが朝をゆっくり過ごすので、活動開始時間が遅い。使用人たちもまだ寝静まっている。
なので、使用人たちを起こさないよう、できるだけ静かに、ランプを付けずに暗い廊下をこそこそ歩いた。
(でも、門には護衛の人がついているはずなのに。どうやって入ったんだろう。やっぱり許可がとれる人たちなのかな?)
歩いている間にも疑問は沸き上がる。
この屋敷はイートン伯爵が派遣した衛兵たちが警護しているのだ。何の物音もなしに侵入などできない。
増して、内庭でゆっくり話をするなんて。
つまり、そこにいるのはそれを許された人なんだ。
納得して、ロザリーは広間に滑り込んだ。
「……か?」
「はい」
窓の外を窺うと、朝方なのか若干空が白んでいた。どうやら結構寝入ってしまったらしい。
人影が分かるくらいには明るく、のぞき込むと、内庭にふたりの人間がいるのがわかった。
大きさからみても、どちらも男の人だろう。
(どうしよう。あんまり近づいたら危ないし……。でも、気になるし。ええい)
ベッドで寝るつもりがなかったから、今日のロザリーは簡素なワンピースを着たままだ。
更にもこもこのケープを羽織り、内庭がよく見える広間へと向かう。
この屋敷は、主人のカイラが朝をゆっくり過ごすので、活動開始時間が遅い。使用人たちもまだ寝静まっている。
なので、使用人たちを起こさないよう、できるだけ静かに、ランプを付けずに暗い廊下をこそこそ歩いた。
(でも、門には護衛の人がついているはずなのに。どうやって入ったんだろう。やっぱり許可がとれる人たちなのかな?)
歩いている間にも疑問は沸き上がる。
この屋敷はイートン伯爵が派遣した衛兵たちが警護しているのだ。何の物音もなしに侵入などできない。
増して、内庭でゆっくり話をするなんて。
つまり、そこにいるのはそれを許された人なんだ。
納得して、ロザリーは広間に滑り込んだ。



