深月の手を引いて出て行った清春は玄関ホールで足を止めかけたが。
車の灯りが駐車場に入ってくるのを見て、誰か来るかもしれないと思ったようで、深月の手を引き、もっと奥へと移動した。
だが、階段下に行きかけた清春は、二階の炊事場で大笑いをしているおばちゃんたちの声を聞いて、また戻る。
結局、清春は一階隅の、掲示物の貼られたパネルの裏に深月を連れていった。
「深月。
誰だ、あいつは、聞いてない」
ようやく手を離した清春はそんなことを言ってくる。
いや、一ヶ月前、晩ご飯のとき、話しましたよ。
新しい支社長が来たよーって、と思う深月に清春は言う。



