好きになるには理由があります





 結局、なんの打ち合わせにもならなかったな、と思いながら、深月が外に出ると、杵崎が待っていた。

「……なにを清めるんだ? 一宮」
と訊かれる。

「水垢離までして、お前は何を清めたいんだ?」
とあの鋭い眼光で訊いてくる。

 怖いよ……。
 またコンタクト入ってないのかな?
と思いながら、

「今日は裸眼ですか? 杵崎さん」
と訊いて、

「いや」
と言われる。

 希望は(つい)えた。

 本当に睨まれているようだ……。