好きになるには理由があります




 結局、陽太も杵崎も一緒に家まで送ってくれた。

 夜道を歩きながら、陽太がボソリと言ってくる。

「さすがお前の兄貴だな。
 テンポがおかしくていまいち喧嘩にならん」

 いや、ならなくていいんですよ、と思う深月の横で、杵崎は興奮したように、神楽について清春に質問していた。

「杵崎さん、連れてきてよかったですね」
と深月は陽太に笑いかけたが、

「いや、よかったんだか、悪かったんだか……」
と陽太は曖昧に呟いていた。