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カノンと浩哉の2人が解放されたのは、休憩時間が終る5分前のことだった。


浩哉は教室の中央で全裸にされ、その隣には坊主になったカノンが座り込んでいた。


バリカンなどなかったため髪の長さは不揃いで、すごく汚い状態になっている。


2人を見て散々笑っていたクラスメートたちは、今は知らん顔をして残り時間を友人たちと談笑している。


張本人である想は、席に座って文庫本を読んでいた。


浩哉とカノンを覗いては、ごく普通の教室風景が広がる。


その時だった。


不意に、カノンが奇声をあげたのだ。


それはサイレンのようにけたたましく響き渡り、鼓膜が破れてしまいそうだった。


カノンは人間とは思えない声を張り上げながら教室を飛び出した。


廊下を走り、階段を駆け下りていく音が聞こえて来る。


あんな姿のまま外へ出るつもりだろうか?


そう思った時、階段から大きな音が聞こえてきてあたしと佑里香は目を見交わせた。


授業開始まであと一分を切っているが、2人で同時に教室を出た。


廊下には奇声と階段からの音を聞いた生徒たちが出てきていた。


その生徒たちに混ざってカノンが走って行った階段へと向かってみると……人に取り囲まれた状態でカノンが倒れていた。