「それならあたしがアプリに聞いてあげるよ」


あたしはそう言い自分のスマホでアプリを立ち上げた。


「美世が次の授業で当てられる問題はなに?」


《ボクが解決してあげる! ○○地区についての問題だよ》


自分自身の質問じゃなくても、アプリはちゃんと答えてくれるみたいだ。


「ありがとう麗衣。その問題なら教科書を見れば載ってるよね」


「うん」


昨日も授業で勉強したばかりだから、きっと大丈夫だ。


そうだ、あたしも質問をしておこう。


「どこのメーク道具を買えばいい?」


《ボクが解決してあげる! ○○っていうメーカーのメーク道具がいいよ!》


その答えにあたしは「えぇ?」と、不満な声を漏らしてしまった。


ウサギが答えてくれたのは有名メーカーのもので、グロス一個が三千円くらいする。


学生にとってはちょっと高級な商品なのだ。


「頑張ってバイトするしかないね。バイト先もアプリに聞けばいいじゃん」


佑里香にそう言われたけれど、「バイトなんてめんどくさい」と、答えたのだった。