優しい風が吹く




「……私も、次に会った時、あんたに言わなきゃいけないことがある」


この気持ちを、彼にだけ反応する心の動きを、ずっと覚えておこう。

例え忘れてしまったとしても大丈夫。

私は絶対にまたきみのことを好きになるから。


「俺もお前に言うって決めてることがある。だから一緒に行こう。それで、お前のこと俺が幸せにするよ」

「……やだ。私もあんたのこと幸せにしたい」

「はは。じゃあ、次はよろしく」

私は彼に手を引かれて立ち上がった。


ここは優しい風が吹く街。


――人はここを、天国と呼ぶ。


END