「最近、ゲームしてないね」


更衣室で着替えている時香菜美にそう言われたので、あたしは「まぁね」と、曖昧に頷いた。


相変わらず家ではずっとゲームをしている状態だけれど、学校内でスマホを取り出す時間は格段に減っていた。


そのお蔭か、香菜美との友人関係は良好だった。


「それよりさ、最近下校時間になると田中君を見かけるんだよねぇ」


着替え終えて、更衣室を出てからあたしはそう言った。


告白してきた1年生の田中勇気君の姿を、最近頻繁に見かけるのだ。


「そうなんだ?」


「うん。これってさストーカーってやつ?」


香菜美へ向けてそう聞くと、香菜美は難しそうな表情で黙り込んでしまった。