家に戻った時にはすっかり暗くなってしまっていた。


あたしが怒られるのではないかと心配した香菜美が家までついて来てくれたから、説教は短くてすんでいた。


今日千秋と偶然会えたことで、あのゲームをしているのは達治イジメに関係したメンバーだということがわかった。


そして全員がチヒロと友達になり、チヒロがゲームをダウンロードしていったこと。


後はチヒロと達治の関係がわかればスッキリしそうなのに……。


「チヒロがそんなに簡単に口を割るとは思えない」


湯気の出る浴槽につかりながら、あたしは呟いた。


チヒロ本人が教えてくれなくても、なにかヒントくらいは見つけられるかもしれない。


そう思うあたしの脳裏に、図書委員のあの人の顔が浮かんで来ていたのだった。