「優奈やめて! そんなことしないで!」


後ろから香菜美があたしを抱きしめる。


その時、右頬に痛みが走った。


ハッと息を飲んだ瞬間、頬から血が流れ出る。


香菜美が青ざめた顔であたしから身を引いた。


「大丈夫だから」


やらないと、今度はどこを切られるかわからない。


あたしは便器に顔を近づけたのだった……。