ドクンッドクンッと自分の心臓が動いているのを感じる。


その瞬間……。


「きゃあっ!」


あたしは悲鳴をあげてうずくまっていた。


腹部に激しい痛みを感じる。


「どうしたの優奈!?」


「……たぶん、切られた」


それは鋭利な刃物で皮膚を裂かれたようなヒリヒリとした感覚だった。


クラスメートたちが何事かとこちらを見ている。


「行かないと……」


なんとか立ち上がり、女子トイレへと急ぐ。


その間にも腹部や背中に同じような痛みが繰り返された。