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幸い、耳の上部が少し切れただけで怪我は大したことがなかった。


だけどしっかりと服を着こんだあたしは、すっぽりと頭まで布団にくるまっていた。


そうしないと震えが止まらないのだ。


「どうしてこんなことするの? なんであたしなの? あなたは誰なの?」


布団の中でブツブツと呟く。


どうしようもない恐怖が体中を包み込んで離れてくれない。


今日の命令は終わったのに、スマホが鳴る度に悲鳴を上げそうになった。


もうやめて。


もうあたしを解放して……!


その時、再びスマホが震えだした……。