こうして2人で歩いていると、ようやく何かが取り戻せたような気がする。


でも……心の中には美咲たちの言っていた言葉が残っていた。


「ねぇ璃桜。どうして今回の大会は来なくていいって言ったの?」


「小さい大会だし、負けたら恥ずかしいだろ」


「……でも、応援してほしいとか思わなかった?」


そう聞くと、璃桜は頭をかいた。


「もしかしてさ、部の中であたしの存在が邪魔になってる?」


更に質問を重ねると、璃桜は黙り込んでしまった。


やっぱり、そうなんだ。


大会の時にはあたしもまだ色々あって大変だった。


けれど、応援には行く気だったのだ。


それを断られた時には『もう少し休養した方がいいだろ』と言ってくれたけれど、本当はサッカー部の中であたしの存在が問題になっているからなのだ。