私は嬉しかった。


デートに誘ってくれたこと。今週の用事は私を避けていたからではないということだから。


あ、でもパーティー…。


「洸にもパーティーのことは言ってあるから。五時までには倉庫に来いよ。デート楽しんできな」


私の心配を見透かすように、氷室くんが言う。


倉庫に着くと、私は幹部室に顔を出した後、総長室に向かった。


何となく、一人になりたかったから。


白鳳の中にいると「美月」が出てくる。


今まで隠して、押さえ込んできたものが溢れ出てしまいそうな恐怖感。


美月でいられることの安楽感。


その二つの感情に板挟みになる。


何が正解なのか、私にも分からない。


だけどもう、


「疲れた…」


洸、早く私を解放してーーー。