それから宛もなく、街を彷徨う。
自分へ何度も問いかけながら。


敬太は、どうしたいの?
私は…どうしたいの?


今、私は、あなたのことが見えないどころか、自分のことさえも見えない。


「あーぁ。こういう時は、あの公園に行ってみるに限るかなー?」


ぐーっと手を空に向かって伸ばしてから、私は独りごちると大きなブランコのある公園へと足を運んだ。



きぃー…

きぃー…



小さくブランコを揺らして、少しだけ日の伸びた空を見つめながら、白い息を吐く。

そういえば、此処は付き合い始めの頃、敬太とよく放課後寄ったっけ。
あの頃は、こんな風な切ない気持ちも、苦しい気持ちも、…焦がれる気持ちもまだそんなに感じなかった。



…焦がれる気持ち?

……あぁ、そうか。


私は、まだ…こんなにも敬太が好きなんだ。
だから、理解してもらえないことに憤りを感じて、ちゃんと好きだと言って欲しくて、こんな風に抉らせてしまったのかもしれない。