「ねぇ?たろちゃん?」

「んー?」

「たろちゃんて、C組の成田さんのことどう思ってるの?」

「ぶっ」

「わっ。たろちゃん、汚い…」

「ご、ごめ…でも、なんでいきなり…成田さん?」


クレープを食べている時に、そう聞いたら、分かりやすいくらいに反応するたろちゃん。
あぁ、両想いなんだなぁと思うと、とても羨ましい気持ちになって、もう一つ、上手くいって欲しいなっていう気持ちにもなった。


「ね、たろちゃん…私、もう大丈夫だよ?」

「え?」

「大丈夫、だから…」

「美依…」


それ以上言葉はいらなかった。

私は、黙々とクレープを食べ終えて、席を立つ。
そして、ぺこりと一つお辞儀をして、にっこりと笑ってみせた。


「たろちゃん、ありがとね?」