「美依…?美依?どうかした?」

「え?」

「…え?じゃないよ。さっきから呼んでたのに…。何かあった?ここの所様子がまた変だけど…?」

「あ、ううん。なんでもないよ、たろちゃん。だから、今日はクレープおごって?」

「まぁ、いいけど。何かあったら…話してくれよ?」

「う、うん!」


たろちゃんは、優しい。
たろちゃんは、温かい。


でも…。


たろちゃんに、好意を寄せている人がいるのは知っている。
その視線を感じることも確か…。


だから、こんな風にしていちゃいけない、と思うのに。


結局、私は一人じゃ何も出来ない…弱い人間なんだ…。