7月29日。夏休み。

私は、白のトップスにジーパンというラフな格好に身を包み、炎天下の中最寄駅の前で時計を見上げていた。

いつも通り、ヘッドフォンからはくゆりさんの声が聞こえる。


「わりぃ、寝坊した」


近くでそんな声が聞こえて、ヘッドフォンを外す。


「別にいいけど。わたしもさっき来たところ」


走ってきたのは、松下くん。

デートだっていうのにしっかり寝坊してくる肝の座り具合。

まぁ私もちゃっかりジーパン履いてきてるあたり、女子力も何も気にしてないんだけどさ。