「これは失礼。戻ってきたバートから、あなたがアシュリー伯爵家に向かったと聞きました。ローガン様とバートは、ベリル様を救うために彼らのアジトに向かったので、私はあなたを守るためにこちらへ向かいました」

「アジト? ダレン? ……何のことです?」

聞いたことのない名前が出てきて、シンディは混乱してきた。
それにベリルを救うため……というのが聞き捨てならない。バートは最初からベリルの居場所を知っていたとでもいうのか。

「どうしてベリルがそこにいるなんてわかるの? 私はベリルを探しに来たのよ? 居場所を知っていたならどうして連れて行ってくれなかったの」

「落ち着いて。そこにベリル様がいるのかは確定ではありません。ただ、ヒューゴ殿がダレンと繋がっていたのが濃厚になったので、今は彼らのアジトが潜伏先として最も可能性が高いというだけです」

どこまでも冷静に返答してくるコネリーのせいか、ヒートアップしていたシンディも徐々に落ち着いてきた。
それを見計らったように、コネリーが声をひそめて耳打ちした。

「あなたが持っていたというエメラルドのネックレス。……あれは盗品です。王家の宝物庫から盗まれた王家の秘宝なのです」

「……うそ。どうしてじゃあそんなものをヒューゴが持っていたの?」