「ここ。」

「デカ。お前ん家やっぱデカいな。」

そういえば、前に来たっけ。

「どうぞ。」

「お前の家族いないの?」

「お父さんもお母さんも仕事。だから、誰もいないよ。」

誰もいない!?

って、自分で言っといて何よ。

何、驚いてんの。

でも、この状況でふたりきり。

耐えられるかな?

「ふーん。」

部屋は汚いのでリビングに行ってもらった。

「そこで待ってて。」

急いで部屋を片付けた。

それはもう急いで。

「お待たせ。ついて来て。」

「おー!今、片付けたとは思えねぇほど綺麗だな。」

「どーいう意味?」

「そのままだけど。」

「座って。」

「命令すんなよ。」

「座って下さい~。」

「それもいい気分ではないな。」

じゃあ、どうしろと?

「ごめんごめん。からかい過ぎた。」

そう言って、頭をポンポンしてくれた。

そういうのがドキドキするんだけど。

「勉強しよっ。前言ってた勉強会!」

ドキドキを隠すため言った。

「そんなつもりないんだけど。」

え?どういうこと。

「俺はお前に話したいことがあるんだ。」

なんだろ。