「緊張しなくてもいいって。誰もいないし。」

それはそれで緊張するんだけど。

「行くぞ。」

「ちょっと。」

佐川についていくとすぐに着いた。

「近いね。」

「まあな。」

「お邪魔します。」

「お兄ちゃん!お帰り……」

佐川の妹が出てきた。

「誰?」

「ひかり。こいつは俺の友達。」

ひかりちゃんか。佐川に似てるな。

「はじめまして。西牧りかです。よろしくね。」

「あっそ。りかとお兄ちゃんは恋人なの?」

「それはありえない。お前でも分かるだろ。それより、遊びに行ったんじゃなかったのかよ。」

黙りこんだ顔かわいい!

「お兄ちゃんのバカ。彼女連れて来るなんて。」

泣きそうになってるところもかわいい!

「だから違うって。」

「裏切り者!」

そう言って二階に行ってしまった。

「いいの?」

「まあ、いいって。俺の部屋、二階の奥だから先に行ってて。」

「あ、うん。」