「りか、虹祭り行かない?」

ある日、突然椎名ちゃんに誘われた。

虹祭りとは、私達が住んでいる虹川町の豊作を願った祭りだ。

なんでだろう。

これまで、一緒に行ったことなんてないのに。

「いいけど。突然どうしたの?」

「あたしの大好きなアニメの声優さんが虹祭りに来るらしいの!!」

何を隠そう、椎名ちゃんはオタクなのだ。

アニメやマンガが大好きで生き甲斐だと言っている。

私はそう言っている椎名ちゃんが大好きだ。

恋する乙女のように幸せそうだからだ。

何もハマったことがない私からすると、とっても羨ましい。

私も何かにハマってみたいな。

「で、どうなの?行ってくれる?」

「もちろんだよ!」

「ありがとう~ 持つべきものは友よ!!」

「大袈裟だな~」

「じゃ、明日ね!」

「うん!」