じいさんの家へバイクを飛ばす。


じいさんの目の前で取り乱したら
見抜かれてしまう。


冷静を装って
「ね!同居の小島さん?って言う人
居なくなったけど
急にどうしたのかな?
何か聞いてる?」


「あ。。。小島さんね
親が事故にあって 看病が必要に
なったからと急に電話がかかってきてね
一身上の都合だから
仕方なく受理したんだが」


「親が事故?それ今日の話?」


「じゃないかな?よくわからないが」


これ以上じいさんに余計な話をしても
変に思われるだけ。


萌香が電話で言った言葉が
理解できない。


色々楽しかったでしょう
私もこんな結末が待ってるなんて
思っても無かったわ
二度と会わないから
二度とかけて来ないで!
あんたのことなんか
これっぽっちも好きじゃないし
遊びよ遊び 楽しませてくれてありがとう
さようなら」


わからない!全然わからない!


良い方で考えると
事故の親を看護するために
離れなければいけないから
わざと嫌な事を言った?


悪い方で考えると
本当に遊びだったか。


「まぁ 葵も何もなかったと思って
新たな気持ちで頑張りなさい」


何もなかった?どう言う意味?
その事を聞きもせず
さっさと家へと帰った。


さっきは動転して気づかなかったが
リビングに見慣れたコートを見つけた。


これはうちの学校の指定のコート
あいつらが来た?


澤山と裾の裏に書いてあるから
彩美のだ。


すぐに彩美に電話をかけた。


「なぁ今日うちに来た?」


「行ったよ!春香とね
ゲーム借りようと思ってさ」


「あの人いなかった?」


「ああ 最低な女のこと?」


「最低?」


「男を連れ込んでたよ
あたしもカッ!となっちゃって
ちょっと言い争いしてしまったから
コート置きっぱでごめん」


「男?」


男とやってるところを
生々しく見てしまったという。