「親にも相談しないといけないし
あっ!会社辞めて実家に帰ります」


どうにか北海道移動は避けたくて
親元へ帰ることを認めて欲しくて
社長に言った。


「親?
そっか 親か すぐに実家に電話しろ」


携帯から親へと電話をかけるように
指示された。


社長は親に
私の実績が認められて
急なことだが3月の1日付で
少しの間 北海道の関連会社に
移動となると説明をしている。


そう・・・
親には昇進すると言う説明。


もちろん親は
「どうぞ!どうぞ!
どこでも移動させてください
北海道って遠いようですが
飛行機に乗ればすぐですし
私たちも旅行感覚で
娘に会いにいけますし」
と娘の嘘の昇進を喜んでるようだ。


「これで終わり
わかったな
君は明日の一番の飛行機で
移動すること
このことは誰にもいうなよ」


何も言ってももう
私の意見は通らない。


「さっ!美味しそうな料理が
運ばれてきてるから
君も食べない」と
社長は箸を手に取った。


この状況でご飯なんて食べられない。


「お話が終わったなら
私はこれで失礼します」


「くれぐれも
他の社員には余計な事を
言わないように!
家の都合で辞めると言うことに
話を合わせなさい」


「わかりました」


社長から手渡されたチケットや
向こうでの仕事場
住まい それらのメモ書き
ご丁寧に餞別まで用意されていた。


それらを手に私は
お店を出た。


もう何を言っても無駄
とりあえず北海道へ行って
それからすぐにその会社辞めて
また戻ってくればいい!
とそう思っていた。