「そんなの知ってるし
そーだ!彼氏作んねーの?
彼氏がいたらこんな時だって
ウチに来なくても
宿があったわけじゃん」


「そりゃ そーだけどね
そう簡単にはできないしさ
葵くんはいいね
まだ学生だし これからだもんね」


「これからって言えばこれからだけど」


「あたし もし出来る事なら
学生時代にタイムスリップして
当時のあたしに
この人いい人だよ
絶対別れてはダメとか
この人は浮気ものだよ
早く気づいてって 教えてあげたい」


「なんか深そーだね
萌香の恋の話って
聞かせてよ」


「話して自慢できるような恋は
何もないよ まーね 24年も生きてるとね
色々あるよ
葵くんは後悔しないように
日々過ごしてね
彼女大切にしなきゃ」


「彼女ねぇ・・・まだ言ってんの?
それよりさ
一目惚れってしたことある?」


「あたし?うーん あるかなぁ?
あるかも。。。?
葵くんはある?」


「うん あるよ
心を矢で刺された感じかな?」


「そんなに?
それでその子とどうなったの?」


「何も言えず・・・」


「へぇ〜葵くんらしくないね」


「オレらしいって?」


「お前のこと好きだ!付き合ってくれ!
って言いそうなのに」


「オレの印象ってそんなタイプ?」


「うん!そんなタイプ!
ウジウジしてるのって
葵くんらしくないよ
あっ!ごめん。。。
出会って間がないのにそんなこと言って!
でも そんな経験をしたけど
今の彼女が出来たわけでしょ
良かったじゃん」


「はぁ。。。。。」


大きなため息の葵くん
そして「帰るか」と一言。


「だね その前にご飯買ってね」


またバイクの後ろに乗り
葵くんの腰に手を回し
風を受けながら帰った。