向かったのは登別温泉
ホテルフラワー。


ここは宿泊者だけでなく
一般の人も日帰り風呂に入ったり
各レストラン等を使用できるように
なっている。


「高橋ですが」
と宿泊手続きを手早く済ませる葵くん。


年下のくせに頼りがいがあって
頼もしい。


「25階のスィートルームですね」


スィート?ルーム?
確かこのホテルは1泊15万だったかな?
やばっ。。。


「さすがじいさんだな」


「何だか申し訳ないなぁ」


「いいよ気にしなくて別に」


「でも。。。飛行機だって。。。」


ファーストクラスだったし。


「専用のプライベイトジェット機ぐらい
出してくれてもいいと思ってたのに」


「その感覚についていけません」


***嫌なヤツ上園さんとの再会***


私たちがコソコソと話をしていると
「あれ?小島さん?」と
受付の子に顔をマジマジとみられた。


「気づいちゃった?」


「初めはあれ?って思ったけど」
と話すのはここにきた時に
社長の部屋まで案内してくれた上園さん。


小柄でモデルのように可愛い人だけど
私はこの人がネックだった。


私と社長の話を扉の外で聞いていたのか
すぐに噂を流した女。



ーーーまぁ 第二の人生を歩むのは
遠く離れた場所の方が
心が落ち着くだろう
ここで頑張りなさいーーー


ーーーくれぐれも言っとくが
ここの社員には手を出さないようにーーー


ーーー君は向こうで妻子ある男性と
不倫関係になって 大変だったと
聞いている 違うのか?ーーー


当時の社長の言葉が蘇る。


それを聞いて会社のお金を
横領したと言うことまで付け加えて
ある事無い事を言いふらした女。


どう訂正しても
東京から来て掃除婦と言う出前
だれも私のことなんて信じるわけがない
だからそのままにしていた。