好み、なんて恥ずかしいこと言われるとは思ってなくて。 でも面白いって理由でキスされてたなんて腹立たしくって。 なんだか頭の中がぐちゃぐちゃで。 思わず平手が飛び出しそうになったとき。 「スミマセン、シャシン、イイデスカ」 前に並んでた観光客っぽい外国人がカメラを掲げた。 あたしはそのカメラに手を伸ばして、撮ってあげようとしたんだけど。 「オーケー♪」 「えっ」