「よ。悪かったな」 「悪いよ、ちょー寒いよ」 「ほら」 先輩の家の前まで来たら秋田君が真っ赤なダッフルコートで待っていた。 黒髪だけど、バレたらどうしようとか考えてないなコイツ…… あたしが寒いと愚痴ったら、秋田君が自分の首につけていたマフラーを外して差し出してきた。 「いいよ、秋田君だって寒くなるでしょ」 って、あたしが言ってるのに。 秋田君があたしにマフラーを巻き付ける。 「俺はいいの。お前にあっためてもらうから」 「きゃっ」