「どこから」
「江戸です。その後も転々としていましたが、その前は京都にいました」
「なぜだ?」
「……ここにはいられない理由があって」
土方さんは、大きなため息を漏らすと、「こいつは間者じゃねえだろ」と、ため息混じりに沖田さんに言った。
「えー?僕はこの子が間者かもだなんて一言も言ってませんよー?僕は、怪しい、って言ったんです」
沖田さんの煽るような言動に、土方さんは舌打ちをした。
「おい、お前名前は」
「大島環奈(おおしま かんな)です」
(私の中では)自己紹介の定番に笑みを向けた。
「……行くあてはあるのか」
「転々としているだけですからねぇ………」
「じゃあしばらくここにいろ」
「え、なんでですか??」
「総司が怪しいっていうからだろ」
総司?あぁ、私を連れてきたのは沖田総司という名前なのか。
「わかりました」


