沖田サイド┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
旅が好きな女の子か。変わってるな〜。
浪士とか危なくて怖いだろうに。まぁ、この子は強いし心配ないのかな。
それよりこの子が“拷問をすればわかることもあるかもしれない”って言ったのにはどんな意味があるんだろう。
それに、本当に好きで旅してるのかな。そうは思えないんだよね。なんでこんなに謎だらけなんだろう。
暫くの沈黙の後、後ろからつんつんと方をつつかれ、振り向くと左之さんが左手で招いていた。
連れていかれるまま隊の後方へ行くと、左之さんは訝し気に言った。
「ぱっつぁんが言ってたんだけどよ。環奈ちゃん、間者かもしれねぇんだって?」
「………まぁ……そうだよ。どうしたの急に」
「いやー……自分で言うのもなんだけどよ。俺、人を見る目だけには自信があんだよな」
「環奈ちゃんが間者に見えないって?」
「あぁ。そんな嘘、つくように見えねぇし」
「僕もそう思うよ」
「お前もかよ!!じゃあなんで疑いをかけるようなことしてんだよ?」
「………僕の直感だよ。あの子と初めて会ったって感じがしなかいというか……そばにいたいって思った」
「え………」
しまった。
「それ恋だろ!!!!一目惚れ!!ぜってーそうだよっ!!応援するぜー総司〜!!!!」
あーーー。左之さんならそんな事言うと思った。僕があの子に恋?ありえないんだけど。
「そういうんじゃないから」
「じゃあなんだよー」
「哀れみ?あの子と僕が似てるからじゃないかな」
「総司………昔の事は忘れろよ」