夕日を背にした功一郎。
逆光で眼鏡だけが不気味に光っている。
姉を心配して訪ねてくれた弟に不気味って言っちゃいけないけど、不気味なものは不気味なんだ。
そう思っていたら、功一郎の手の平が額にそっと触れてきた。
その行動が不意打ち過ぎて、両肩が跳ね上がった。
「僕の目には、熱なんてなさそうに見えるんだけど」
「う、うん。ちょっと寝たら、下がったみたい。もともと微熱だったしねぇ」
歯切れの悪い私に首を傾げたが、切り替えの早い功一郎は革靴を脱いで、まっすぐキッチンに向かった。
私もその後に続く。平常心、平常心を保て……心穏やかに。
その途中、寝室の前を通り過ぎた時はハラハラしたが、功一郎は素通りした。
ほっと胸を撫で下ろした。
エヴィエニスとは、やましい事は何にもしてない。
してないけど……。FPSゲーやホラゲーで敵から逃げている時並に緊張している。
心拍数が尋常じゃない。心臓が爆発するんじゃないかと杞憂してしまう。
と、言い聞かせていたんだけど……。
「体調が悪い人の食事量じゃないよね、これ」
「はぁんあッ!」
功一郎の表情が、非常に渋い。眉間の皺が一気に深くなった。
逆光で眼鏡だけが不気味に光っている。
姉を心配して訪ねてくれた弟に不気味って言っちゃいけないけど、不気味なものは不気味なんだ。
そう思っていたら、功一郎の手の平が額にそっと触れてきた。
その行動が不意打ち過ぎて、両肩が跳ね上がった。
「僕の目には、熱なんてなさそうに見えるんだけど」
「う、うん。ちょっと寝たら、下がったみたい。もともと微熱だったしねぇ」
歯切れの悪い私に首を傾げたが、切り替えの早い功一郎は革靴を脱いで、まっすぐキッチンに向かった。
私もその後に続く。平常心、平常心を保て……心穏やかに。
その途中、寝室の前を通り過ぎた時はハラハラしたが、功一郎は素通りした。
ほっと胸を撫で下ろした。
エヴィエニスとは、やましい事は何にもしてない。
してないけど……。FPSゲーやホラゲーで敵から逃げている時並に緊張している。
心拍数が尋常じゃない。心臓が爆発するんじゃないかと杞憂してしまう。
と、言い聞かせていたんだけど……。
「体調が悪い人の食事量じゃないよね、これ」
「はぁんあッ!」
功一郎の表情が、非常に渋い。眉間の皺が一気に深くなった。