襲いかかる敵兵を、蹴飛ばし薙ぎ払いつつ、道の中央に集まったラナたちは、素早くそれぞれの仕事に取り掛かる。
グリゴリーは布袋から赤絨毯を取り出して、石畳の上に転がすようにして敷いた。
イワノフが今、手にしているのは、木槌ではなく黄銅製のラッパである。
そのラッパで青空まで届くような華やかなファンファーレを吹き鳴らし、ワイン樽の中のから飛び出してきたオルガは、ラナの早着替えを手伝っていた。
平民服の上にすっぽりと被せるように豪華なドレスを着せ、頭巾を外して髪紐を解く。
そうすると、長く艶やかなブロンドの髪が、初夏の風にサラサラとなびいた。
頭頂にはダイヤが散りばめられた豪華なティアラを被せ、ついでに唇に紅をひと塗りすれば、ラナはもう、ただの町娘には見えない。
どこからどう見ても、高貴な身分の姫君であった。
わずか数秒の間に変身したラナに、敵兵たちは襲いかかるのを忘れて、驚き戸惑っている。
彼らの注目を浴びながら、ラナは赤絨毯の上を奥から前へ、優雅に歩いてみせた。
そして絨毯の端までくると足を止め、左に国内一の大賢者イワノフ、右に高潔な王城騎士、カイザーを従えた。
グリゴリーは布袋から赤絨毯を取り出して、石畳の上に転がすようにして敷いた。
イワノフが今、手にしているのは、木槌ではなく黄銅製のラッパである。
そのラッパで青空まで届くような華やかなファンファーレを吹き鳴らし、ワイン樽の中のから飛び出してきたオルガは、ラナの早着替えを手伝っていた。
平民服の上にすっぽりと被せるように豪華なドレスを着せ、頭巾を外して髪紐を解く。
そうすると、長く艶やかなブロンドの髪が、初夏の風にサラサラとなびいた。
頭頂にはダイヤが散りばめられた豪華なティアラを被せ、ついでに唇に紅をひと塗りすれば、ラナはもう、ただの町娘には見えない。
どこからどう見ても、高貴な身分の姫君であった。
わずか数秒の間に変身したラナに、敵兵たちは襲いかかるのを忘れて、驚き戸惑っている。
彼らの注目を浴びながら、ラナは赤絨毯の上を奥から前へ、優雅に歩いてみせた。
そして絨毯の端までくると足を止め、左に国内一の大賢者イワノフ、右に高潔な王城騎士、カイザーを従えた。


