はい、お祝い、と可愛らしい大きな籠入りのフラワーアレンジメントをくれる。

「ありがとうっ」
と突然の訪問に驚いて、芽以が言うと、

「いやいや。
 あのパチンコ屋の開店祝いみたいなの送った方がいいのかなと思ったんだけど、よくわからなかったから。

 手土産と、開店祝いと結婚祝いも兼ねて」

 これも、と洒落た包装紙の包みもくれた。

「あんたの好きな猫柄の夫婦茶碗。
 結婚式はまたやるんだろうから、お祝い、ちょっとだけ、と思ってね」

 みんなで出し合ったから、少しずつだから、気にしないで、と言う。

「あ、ありがとう。
 びっくりした。

 今日来るなんて言ってなかったから」
という、こちらの話はまったく聞く気のない彼女たちは、

「やだーっ。
 厨房に居るのが、旦那様?」

「めっちゃイケメンーッ!」
と騒いでいる。