「俺が持ってても仕方ないだろう。
 お前がいらないのなら、捨てろ」
と喧嘩腰に言ってくるが、要するに、クリスマスプレゼントということなのだろうかな? と思った。

 包んでもいないところがこの人らしいというか。

 でも、クリスマスだし、私もなにかあげるべきだったろうか、と後から思ったのだが。

 あまりの忙しさに、あっという間に、クリスマスな雰囲気の残る期間さえ、終わってしまった。

 っていうか、何故、このせわしない年末にオープンするんだ。

 この洋風な店に、注連飾り似合わないしっ、と買い出しに行ったとき、ついでに注連飾りを買いながら、芽以は思った。

 今更、下手に気を使ってお返ししても殴られそうだなあ。

 お礼にとお年玉でも渡したら、もっと殴られそうだし。

 そうだ。
 もし、来年まで一緒に居たら、少し多めにクリスマスプレゼントをあげようかな。

 いや、もし、来年まで一緒に居たらって、夫婦もどうかと思うが……。

 などと考えながら、疲れ果てた芽以は、意味があるのかないのかわからない南京錠をかけ、今日も爆睡してしまった。