部活入ってたのか、知らなかった。




というか、あれだけ運動神経良かったら運動部の方が良かっただろうに。




「デートは?」




「…先週の日曜日にあいつの買い物についてった」




「なんだ、仲いいんじゃん」




「…まぁ」





時雨はグラウンドの真ん中に目を向けながら、小さく呟いた。



時雨たちが付き合い始めて、2ヶ月。




未だキスのひとつもできていないらしい。




何せ、時雨がチキンらしくて。




それを時雨も気にしてるみたいで、最近どんより空気から抜け出せないみたいだ。




「水野さんは何に出るの?」




「…障害物競争と、部活対抗リレー」




「ちなみに時雨は?」




「…部活対抗リレーと選抜リレー」





リレーばっかじゃん。





「…ていうか。…お前はマドンナのとこ行かなくていいのか?」




「莉緒?何で?」




「…あ?付き合ってんじゃねぇの?」




「付き合ってないけど」